かっぱの今日のお薦め

 週に2〜3日 更新!!!

かっぱが その日の気分で音楽や映画、本などを紹介していきます。
日記代わりと思ってくれぃ。

今までの各月の分は、それぞれファイルにまとめました。


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2003年

8月26日(火)

近頃よく聴いているのは、細野晴臣のソロアルバムだ。それも初期の頃。
「トロピカル・ダンディ」は傑作だ。
彼自ら「ソイ・ソースミュージック」と名付けていたそうだが、実に豊かな音楽だ。
焼きトウモロコシにかかった醤油の香ばしい匂い、のような音楽である。

膨らみのあるリズムと、自在なメロディ。正統的/王道的メロディメーカーとしての細野晴臣。分かり易くてしかも耳に残る素敵なメロディ。
そしてあまり語られることはないようなのだが、ヴォーカリストとしての細野の魅力。
けしてうまくはないのだが、また、いわゆるいい声、でもないのだが、中低音に魅力のある、味のある声だ。僕は好きです。

今年は涼しい夏だったので、そんな日は数えるほどしかなかったが、アルバム収録曲の「熱帯夜」アジアンテイストの、でも程良く空調の利いた熱帯夜が楽しめる。

なんか、細野さんって「粋」なんだよな。こうなれたら、って思ってしまうな。

8月21日(木)

ジェフ・ベックの新譜「Jeff」を買った。出てすぐ買った。好きなんです、ジェフ様が。

かっこいい。
この一言で終わらせても良いのだが、終わらせない。
かといって的確な言葉があるかというと、それもあやしい。うむ。

基本的には「1999年」の「フーエルス」からの延長線上にある作品だ。だけど、この人の場合、はっきり言ってバックが今風だろうが、曲自体が多少ダサかろうが、あんまり関係ない気がする。
彼のギターがうなりを挙げて走り回っていれば、それでOK。

ジェフ・ベックのギターはスピード感がある。それはかなりの快感だ。
クラプトンのように、「大人の滋味」を感じさせるような演奏ではない。そういった意味での成熟は、おそらく彼にはない。
かといって若ぶっているわけでもない。彼だってもう、56か7くらいなのだ。
でもこの圧倒的なスピード感。

彼はテクニック的にも、もの凄く高度なものを持つ人だから、当然早弾きっぽいところも多々出てくるが、僕の興味はそういうところではなく、彼の使う音色に惹かれる。
色っぽい、というのとも違うかな。そういう要素もあるのだが、もっと訳の分からないものだ。

この年になっても、渋くならず、かといってケバイ方面でもなく、ひたすらかっこいいジェフ・ベック。
憧れです。

憧・ベック様。

8月19日(火)

JINMOというギタリストをご存知だろうか?
僕は海老名のシュガーで何度か観た。ライブ情報などで観ると、日本各地はもとより、欧米でもライブをやっているようだ。ワールドワイドな人のようである。

縁の深いライブハウスに、よく出演している、というのが見知ったいちばんのきっかけなのだが、素晴らしい、の一言に尽きる。

僕が好きなギタリストというのは、「バンドのギタリスト」が多く、その人単体でやっている人には、さほど興味を引かれない。そういう活動の人では、グラント・グリーンとジェフ・ベックくらいか?

JINMOさんの場合は、バンドもつかず、打ち込みなども使わず、完全に一人で「ソロエレクトリックギター」ショウを展開する。
これが生半可ではないのだ。

技術的にはとんでもなく高い。驚異的と言っていいくらいだ。実際初めてみたときには、口半開き状態だった。
エフェクトなども「音楽的な」使い方をしていて、ギターミュージックというのを隅から隅まで把握しているのだろうなぁ、と思わせる。

だが、彼の凄さは当然そんなところにはなく、その演奏に、言葉で歌うシンガー以上に「愛に溢れている」のが見えるからだ。
言うに事欠いて「愛」かよ。もっと他に伝える言葉が、と思うのだけれど、どうにも見つからない。

そんじょそこらの歌い手の何倍も歌っているギター、いやJINMOさん。エモーショナル、とはああいう演奏のためにある言葉ではないだろうか?
ああ、もどかしいなぁ。観なければ伝わらないのだろうな、こういうのは。

僕はアルバムは「アヴァントロニクス」一枚しか持っていないが、そしてそれも素晴らしいが、ぜひ、ライブで観て欲しい音楽家だ。

相模界隈では9/27(土)、海老名シュガーで観られる。ワシは行きます。

8月15日(金)

ハロロックの四谷天窓ライブも終えた。
あと一回で完全終了。解散だ。

ポール・サイモンのソロ第一作、「ポール・サイモン」を聴いた。
S&Gを解消しての第一作である。
比べてもしょうがないかもしれないが、随分とアーシーなつくりだ。
だが、ポール・サイモンの声は独特の軽さを持っているので、泥臭くはならず、ある種の明るさを全体にちりばめている。

全体を聴くと、やはり、これはS&Gとして出したらずいぶん無理のあるものだろうな、と思う。アート・ガーファンクルのことや、S&Gのサウンドのブランド性?みたいなものを考えないで作ったから、こうなったのだろう。
のんびりと作っているような気もする。

ポール・サイモンはアコースティック・ギターの名手だ。それは、このアルバムでも存分に発揮されている。
だが、このアルバムの中では「ギタープレイ」という意味ではもっともシンプルな、そして曲としてもシンプルな構造を持った「僕とフリオと校庭で」が今日のお薦め。
バッキングは2本の(ひょっとしたら3本?)のギターとパーカッションのみ。ギターも全部ローコードのストロークだ。
勢いと開放感。ポール・サイモンのことだから、かっこよく、もうちょっと難しげなプレイだっていくらでもできたことと思う。
でも、そういうのはお呼びじゃなかったのだ。
シンプルな、素朴な勢い。それのみが大事だったのだろう。
おそらくそれこそがS&Gでは出し得ないものだったろうから。

天気のいい日に、野原でのんびりしながら口ずさみたい曲だ。
しあわせ。

8月9日(土)

なんか暑いと「ファンクだよな」って気分になる。即物的かもしれないが。
ふらっと寄ったクラブで、クール&ザ・ギャングが「ジャングル・ブギ」なんか演奏してたらサイコーだろうな。
なんも考えずに踊り狂うよ。
普段は好みの対象外のイケイケの女の子なんかも、魅力的に映っちゃったりするかもしれない。
といってもきっとナンパなんぞはできないんだろうけど。

ああいう、どろっとしたファンキーさ、最近は出会わないよな。
大好きなんだけどなぁ、ああいうの。
理屈抜きで、といいたいところだが、あえて理屈を付けると、微妙なアフタービートと、ギターカッティングの快感、そして延々繰り返されるパターンの、正に繰り返しによる快感。上りつめるグルーヴだ。
横には拡がらないが昇天する。
たまらんな。

出会いたいよ、そういう音を。
そして作りたいよ、そういううねりを。

8月7日(木)

作曲家、服部良一さんの評伝「ブギウギ1945上海」を読んだ。
あ、著者と出版社を控えてくるのを忘れたな。ま、それは明日と言うことで。
服部良一さんは、日本の歌謡曲の作曲家の草分け。「蘇州夜曲」や「銀座のカンカン娘」「東京ブギウギ」などを作った人だ。

東京ブギウギは懐メロ番組などでわりとかかっていたので、もの心ついたときから知っていた。子供心に楽しそうな曲だな、と思っていた。
好きでした、はい。歌い出しのところしか憶えてはいなかったけど。

もう少し大きくなって積極的にロックなどを聴きだし、ギターなんぞも自分で弾き始めてから、またテレビで東京ブギウギを聴いた。
「あれ?ロックンロールじゃん」
エレキギターを使っていないだけで、この強力にスイングするかんじといい、ビート感といい、コード進行の感じといい、僕にはまるっきりロックンロールに聞こえた。

この曲がエルビスやチャック・ベリー以前と言うのはあとから知って更にびっくりした。

ブギウギというのはアメリカで1930年代後半くらいから流行ったリズムである。8ビートの直系の先祖と言っていい。
服部さんが作曲活動を始めたのは1930年代に入ってかららしいから、そして当時の「モダン」な人だったから、当然のようにジャズも好きだったらしい。
ブギーのリズムもカウント・ベイシーなどジャズ系かあるいは、ジャイブ/ジャンプミュージック系で耳にしていたのだろう。

この本の中で、凄くびっくりしたのは、服部さんが非常にリズム指向の人だったらしい、ということだ。
元々がジャズのサックスプレイヤー。その後オーケストレーションなども勉強して編曲、指揮、そして作曲という風に進んだらしい。
もちろん音楽は一つの要素のみでできているわけではないから、リズムのことだけを考えて作ったわけではないだろう。オーケストラの編曲ができるくらいだから、その方面の技術や知識も豊富なはずだ。

服部さんは第二次大戦中、上海にいたらしい。そこで軍の慰問楽団のようなことをしていた。
だが、戦況は悪化するばかり。服部さんも「これで負けたら命はないだろう」と思っていた。

1945年。服部さんは大イベントを開く。「夜来香ラプソディ」と名付けたライブイベント。大人気の李香蘭をボーカリストに据え、上海交響楽団を指揮して一大シンフォニックジャズのプログラムを組んだのだ。
当時のポピュラーソングや服部さんの曲をジャズ・オーケストラにアレンジしてガンガン演奏する。
その編曲の中で、ライブタイトルにもなった「夜来香」のアレンジの中にブギウギのパートを付け加えた。当時のメディアのスピード、特に戦争中ということを考えると、上海でブギウギがメインストリームであったとは考えにくい。
だが、その本来の「夜来香」にないブギウギパートでお客さんのハートと体に火がついたのだ。
全員総立ちで踊り狂う、という状況が出現した。服部さんはびっくりしたのと感動したのとで、呆然としたという。
2000年代のコンサートでは普通のことでも、終戦直前の上海では、ちょっと考えられなかったのではないだろうか?
そしてこの時の衝撃と「発見」が終戦・帰国後の「東京ブギウギ」を始めとする「ブギ歌謡」へとストレートに繋がっていく。

なんか凄く分かるなぁ。
明日をもしれない命を抱えながら、おそらく「最後の祝宴」のつもりで開いたコンサートの、思わぬ盛り上がり。全員が踊っている様を目の当たりにして、驚きつつもシンから嬉しい様。これが音楽家冥利というやつだろう。

素晴らしい。

8月2日(土)

やっと、梅雨が明けたらしい。
長かったねえ、今年は。
そして夏だ、海だ、サーフィンだ!といっても多分僕は今年は海には行きそうもない。サーフィンは生まれてから一回もしたことがないし、今後も多分しないだろう。

昨日、僕がギタリストとして参加しているユニット「ハロ波浪」のラストライブだった。
ラスト、に至る過程は書かない。
ただ、昨日のライブは自分で言ってしまうけれど、良かった。
メンバーの、そしてお客さんのバイブレーションがバンバン伝わってきた。それが渦を巻いていた。

それ以上なにが必要だ?

ああいうライブができたことを誇りに思う。
そのライブの最後を飾ったナンバー、ハロ波浪のにせサーフ・ロック、でもめちゃカッコイイ、そしてメッセージ満載の「陸サーファーの逆襲」が今日のお薦めだ。

音源がないからライブに来てくれたお客さん以外には幻のナンバーかもしれないが、「自称」でもいいっす。グレートです。

終わった。
でも、佐野元春の歌にもあったけど、「終わりは始まり」だ。
休んだら、また歩きだそう。



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