| 2001年 8月29日(水)
レニー・クラビッツは時代を間違えて生まれた男だ。
彼の音楽にある、1960年代、70年代前半の音に対する、尊敬及びファン的な愛情。一度、過去にスタイルとしてできあがってしまった音楽に対する、「その現場にリアルタイムで立ち会えなかった悔しさ」が音にも〜例えばミックスの仕方に〜出ている。彼がジミヘンやビートルズが大好き、というのはインタビューなどで語られているので、ご存知のかたも多いだろう。
だがその一方、彼はまぎれもなく現在の音を出している。
それは彼のビート感に現れている。
ゆるくない、たるくない、おおらかでない。
切迫感が溢れている。90年代〜2000年代の歪みが音に、にじんでいる。
セカンドアルバム『ママセッズ』収録「フィールズ・オブ・ジョイ」
この曲の荒涼とした景色は1991年の空気を的確に反映しているように、僕には感じられた。
それは例えばダブルトラックでひしゃげたヴォーカル、エコー感の少ない、すぐ耳元で演奏されているようなミックス。
「荒れ果てた喜びの園」にたたずむそれは僕自身の荒涼だったのかもしれない。
8月26日(日)
今日は珍しく80年代ものを。(ワインじゃないよ)
SYUNJIの「エアチェックの夜」で80年代の曲をモチーフにしたネタが多いので、外す部分もあったのだが、でも、正直言って好きな曲が非常に少ないのだ、80年代産のものに。
ま、メルマガの記事などで、その辺はさんざん書いているので省くが、そんな中で、数少ない貴重な好きな曲。
ヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの「ハート&ソウル」
もちろん曲自体も名曲だと思うが、実はこのタイトルをかぶせた「ダンスパーティ」をやっていたのだ、若かりしかっぱは。
もちろんこの曲、タイトルが気に入って名付けた。
20代前半に半年に一回くらいのペースで、10回くらいはやったろうか。
自分で言うのは何だけど、そこそこ人気があったパーティで、だいたいいつも50人くらいは集まってくれていた。(自慢するほどの動員じゃなかったかな)町田界隈の田舎のパーティとは言え、ほんのちょっとだけ認知されていたように思う。
要はディスコパーティ。あくまでもクラブ、ではなくね。
自分たちの好きな曲で踊り狂いたい、というのがコンセプトだったから、キッスから、エアロスミス、ビートルズに60’Sビート、JBにモータウンにメンフィス、そしてあの頃定番のアースやスティービー・ワンダー。パンクもかけたし、ピンクレディもかけた。
ひたすら楽しかった。
自分で言うのも何だが、スタッフも、来てくれたお客さんも、わくわくしている様が手に取るように分かった。
僕だって主宰者で、細々としたやることもいっぱいあったはずなのに、気がつくとフロアで狂ったように踊っていた。
純粋に「楽しさ」だけを結晶にしたようだった。
その楽しい気分を象徴する曲として、まさにぴったりだったんだ、この曲が。
またこのパーティを動かす為には、企画力やスタッフの協力ももちろんいる。
そういうのを動かしていく中で、色々学んだ。
いいこともいやなことも。
それが今、こういうことをやっている、原点だと思う。
ひょっとしたら、ここが始まりか?
「ハート&ソウル」
もちろん名曲なのだが、それ以外の余計な思い入れと思いこみのおかげで、僕の中では永遠にエバーグリーンだ。
8月23日(木)
今日は、ビーチボーイズの「グッド・バイブレーションズ」
いつか出してやろうとは、ずっと思っていた。
だが、このようなマニュフェスト的ナンバーは、そうそう簡単に書いてはいけない気がしていた。
腰を据えて書かないと。
でもいいんだ。考えてみたら、大名曲といわれている曲でも、うんと思い入れのある曲でも、あっさり書いているときも結構ある。
今日のお薦めはその日の気分の反映だもん。
そんなわけで、「グッドバイブレーションズ」
ビーチボーイズの曲の中でも「サーフィンUSA」とならび、バンドの顔のような曲である。
当然僕も何百回聴いたか分からない。
だが。
最初は全然好きになれなかったのだ。
初めて聴いたときから惚れてしまった、という曲ではない。
初めて聴いたときは、なんか据わりの悪い、サビでも盛り上がらない気持ち悪い曲、だった。展開も凝っている、というよりはただ単に変だなとしか思えなかった。。
なんでこんな変な曲が代表曲なんだろう?
「カリフォルニア・ガールズ」の方がぜんぜんいいじゃん。
のはずが。
僕にとってはビートルズの「ア・デイ・インザ・ライフ」と同じようにある日突然凄さが分かった。
キーワードは「サイケデリック」
僕にとってのサイケは以前も書いたかもしれないが、「心が一瞬ねじれた、その隙間」を照らし出した音楽のことである。
だから、僕にとってはジェファーソン・エアプレインもグレートフル・デッドもサイケではない。
アタマからしっぽまでサイケなアルバムといったら、ドアーズのセカンドと、ビートルズの「リボルバー」だ。
そう、音の質感から言ったら、これはリボルバーに入っていたっておかしくない曲なのだ。(つまり、声が違う、とかアレンジのクセが違うというようなことをすっ飛ばして考えれば)
この曲の魅力はひとえにサビにある。
あの盛り上がりきらないメロディの上に、何層も重なるコーラス。
そして低音部でうごめくマイク・ラブ。
そしてそのバックで、これみよがしにひゅんひゅんいっている、謎の楽器「テルミン」
この曲はあと2歩ほど歩みを進めると彼岸に達してしまう。
こんなあぶない曲が全米チャートの一位になってしまうところに、1966年アメリカの懐の深さというか、怖さがある。
これを作るのにブライアン・ウィルソンは90時間分のテープから編集したのだそうだ、たかだか3分半のために。
そんなことやってっから、22年間も廃人状態になっちゃうんだぞ、ブライアン。
ま、ちゃんと復活してくれて、日本にまで来てくれるようになったから許すけど。
一人の男がこれを作ったが為に(僕はそう信じている)その反動で22年もイッちゃった曲である。
心して聴け!
8月20日(月)
久しぶりの今の人、今の音。
ベン・ハーパーの最新(といっても出たの3月だけど)ライブアルバムから「バーン・ワン・ダウン」
ライブアルバムゆえ、音色やミックスには結構不満もあるのだが、それは細かいこととして放っておこう。
ベン・ハーパーも「ブルーズ」だの「スライド・ギター」だのという文脈で語られることが多いが、この2000年代に生きている以上、当然それ以外の要素も多く含まれている。
僕がこの「バーン〜」が好きなのも、同時代的なビート感覚、より自分を開こうというポップ性を感じるからだ。これは明らかに2001年型ブルーズだ。
歌詞が分からなくてもそれくらいは嗅ぎ取れる。
そして激しくはないが、そこはかとなく暴力的なパーカッション。
全開ではないのだが、熱さが残る、そういうのは結構好きである。
少し暑さがゆるみかけた夏の終わりに聞くに、ふさわしい。
8月17日(金)
今日バンドで、レコーディングをしてきた。
「かっぱ」結成以来初。
個人的にも今年の初めに、「静かな炎」をアップするためにレコーディングして以来だから、7ヶ月ぶり。楽しくて苦しかった。
今回はバンドのノリをきちんと出したかったので、打ち込みなし、クリックなし、パンチ・インなしの、要は「一発録り」で録ったのだが、実に疲れた。
経験者ならお判りだろうが、一発録りほど、バンドの実力が如実に現れるものはない。
初めの方に録ったテイクなどは、演奏が見事にバラバラで、「あっちゃっちゃ」な出来だった。とくにノリノリなエイトビート、になるはずの曲がどたどたになってしまうと結構辛い。
が、そこは大人(関係あるのか?)
回を重ねるごとに、なんとかまともなテイクが録れるようになっていった。
ホントの微妙なタイミングの差なのにね。
ちょっとのずれで、ど下手くそ。
いやー、シビアに実力を思い知った。
が、ここで、欠点が露わになっただけでもよい。
練習での課題も増えた。
明確になった。
ワシのように特別な技量を持たないものは日々これ練習!
それでも、レコーディングは楽しい。
今回録ったベーシックトラックに、リード楽器とコーラス、ボーカルをオーバーダビングして、ミックスダウン、そして完成へと至るのだが、そこまでに、どう音を積み重ねようか、完成の様を思い浮かべるだけで、わくわくする。
僕にレコーディングという行為の凄さ、面白さを最初に教えてくれたのは、ビートルズだ。
「イエローサブマリン」の波や船員さんの効果音、「エリナーリグビー」のポールの一人多重コーラス。
そう、そもそも最初に買ったロックのシングルがビートルズの「イエローサブマリン/エリナーリグビー」、最初に買ったロックのアルバムがクイーンの「世界に捧ぐ」どちらもレコーディングのテクニックを使いまくっている。(今の感覚で聴くと、少々あざといくらいに)
だが最初に出会った音がこの2枚、というのは、なんだか今の自分のかなりの部分を決定づけているような気もする。
もちろん最初の頃は、そんなテクニックが使われていることなど、考えもしなかったし、わかりもしなかった。
でも、ただただ、楽しかった。
あの効果音の入っていない「イエローサブマリン」なんて、面白さ半減である。
金がなくて数少ないレコードを後生大事に聴いていた、中学二年生。
「イエローサブマリン」は何回聴いても、ワンダーランドへ連れていってくれた。
自分のレコーディング話から随分飛んでしまったが、これが僕のレコーディングという行為へ意識をむけることになった、一番最初のレコードだ。
「へぇ〜、レコードってこんなこともできるんだ。」
今度は自分が作る方だ。
少しでもあなたを、別な世界へ連れて行けたらな。
8月16日(木)
スライ&ファミリーストーンの「アイ・ウオント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」
スライはファンキーだ。
だが、上昇ではなく下降していく感覚がある。
スライは熱い。
だが熱狂ではない。どこか醒めている。
バンドでやっているにもかかわらず、スライ個人の匂いが強く感じられる。
この「ハイヤー」を出した頃は、人気は絶頂。出す曲も売れまくっていた。
スライは、この後、大問題作の「暴動」そして「フレッシュ」を出した後、一気に売り上げもアーティストとしてのテンションも下降線をたどってしまう。
そんな結果を知っているから思うのかもしれないが、この「ハイヤー」にすでにその萌芽があるような気がしてならない。
一聴すると暑苦しい、そしてファンキーなこの曲に、どうしようもなく醒めたスライを感じてしまうのだ。
そして因果なことに。
多分そんな違和感が、よりこの曲をかっこよくしているのだ。
うーん複雑。
8月13日(月)
2週連続の自分達のライブが終わって、ちょっとほけぇっとした気分。
別に気は抜けてないけど、でも「一仕事終えたぁ」」感はあるな。
そんなときには、あまりシリアスな音楽には向かいたくない。
前々回のお薦めで、「ヤングラスカルズ」を薦めたが僕の中では、彼らと対になっているバンド、「ラヴィン・スプーンフル」もいってみよう。
彼らは始まりはジャグバンドだったらしい。
そして、いわゆる『ハッピーサウンズ』系の音楽を作っていくことになる。
ほのぼの、楽しい、などという言葉でくくられるような音楽だ。
だが、当然彼らもそれだけじゃない。
今日取り上げたいのは「デイドリーム」
白昼夢というタイトルが示すとおり、ぽわ〜んとした感じの曲なのだが、曲の奥底の方に何か、どろっとしたものが流れている気がする。
その白昼夢はひょっとしたら、ちょっとは冷や汗をかく内容だったのかもしれない。注意深くあの曲を聴くと、浮かび上がってくるような気がする。
そんなこと思うようになったのも、初めて聞いてから、もう何年も経ってからだ。
数十回か、ひょっとしたら100回単位で聞いた後のことだ。
まどろみの中にちょっとだけ流れるどろっとした空気。
その異物感がより、この曲に魅力をもたらしているのだと思う。
こんなどんよりとした、ちょっと蒸す日にはぴったりだ。
ラヴィン・スプーンフルで「デイドリーム」、お薦めです。
8月11日(土)
サニーデイ・サービス。
今年に入ってすぐ解散してしまったが、残念だ。
音に向かう姿勢はとても好きだったのだが。
彼らの「スロウライダー」音のレアさ加減がまず、とても気持ちいい。
すかすかなのだが、配置の仕方がいい。
またあまり加工していない音の感じも好き。
実際には、ものすごく加工しまくっているのかもしれないが。
こういう曲はいわゆる「厚いアレンジ」にしようと思えばいくらでもできる。
だがそれを、あえてここで抑えるのはセンスなのだろう。
もちろん曲もいいのは言うまでもない。
だが、ここにはある種の確信、音に対する信頼のようなものが感じられる。
いや彼らの姿勢全体かもしれないが。
メロディというのは不思議だ。
僕は明らかに「まず、メロディありき」の人なので、余計思うのだろうが、人が違えば、でてくるメロディも違う。
当たり前だが。
それはどこかから降ってくる。
それをある程度はキャッチできる、自分のアンテナにまずは感謝している。
そして彼ら(というかソングライターの曽我部氏)もそういうアンテナを持っているのだろう。よーく磨き込んだ奴を。
解散はしてしまったが、ソングライター曽我部がどんなメロディと共に、再び姿を現すか楽しみだ。
8月8日(水)
しまったぁ。
お薦めを6日間も空けてしまったぁ。こんなことなかったのに。(しくしく)
が、気を取り直して。
前回、手前味噌にも自分のライブを薦めてしまったが、お陰様で、無事終了。
楽しみました。
もう気分はすっかり小学生の遠足。
えかった〜。
ご来場の皆様には、心から感謝です。
さて、そんなウキウキを...というと、もう僕の場合はこれだ。
これしかないでしょ。
ヤング・ラスカルズの「グルーヴィン」
もう喜びと生命力に満ちあふれた、すがすがしい音楽。
夏の朝7時台にこそふさわしい。
喜びをくれる音楽ってそうそうないよ。
夏ばてなんか吹っ飛ばせ。
バンド名もいいよね。
なんてったって「ヤング」なんてのを冠したバンド名なんてないぞ。
いいっす。
青春だす。
いこうぜ、広い世界へ。
8月2日(木)
遠くでなる雷。
少し薄暗くなってきた夏の午後。
じっとりと暑い。
どこまでも続く今日の延長線を断ち切るために、かっぱは旅に出る。
仲間二人と共に、36歳にして、また旅立つことの喜び。
いい歌を歌い続けるぞ。
俺達の今を反映させながらね。
このサウンドに浸りに来ておくれ。
臆面もなく薦めるよ。
今日のお薦めは「かっぱライブ」
まずは8/5(日)
町田AtoZ 6:00〜だ。
地図はホームページの「ライブスケジュール」からリンクしている。
一度、遊びに来てくれ。
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